先日出た、上原ひろみの新作アルバム、VOICE。
相変わらずよくCDを買っているが、久しぶりにかなり聴き込んでいる。
最近の上原ひろみの作品では、Place To Beは良かったが、やはりちょっと一人だともう少しやり取りの楽しみが欲しいなと思ったり、スタンリー・クラークとの作品はやはり前面に出るものではないための物足りなさがアッタリシたのだが、今回のは、どこをとってもぶっ飛び大満足。
やっぱトリオぐらいが、ひろみちゃんの特徴も押し出しつつ、インタープレイを楽しめる、最適な構成なのかもしれない。
ただ、上原ひろみの相手はもちろん誰にでもつとまるわけはないのだが、今回の二人はまたスーパーマンが集まったようなもんだ。
ベースのアンソニー・ジャクソンは、6弦ベースをギターのように扱う巨人。重厚かつ繊細で、音の使い方も特徴的だと思う。個人的には、ミシェル・ペトルチアーニとの共演なども名盤のひとつだ。
以前トリオでベースを担当していたトニー・グレイのプレイも大好きだったが、音色も音運びもまったく別物と言ってよい。
ドラムスのサイモン・フィリップスについて、私はよく知らなかったのだが、こちらもすごい。手数も多く、ところどころツーバスでぐいぐい来るが、別の時には、軽やかにピアノ/キーボードと合わせて彩りを添えていたりする。決してうるさくない。
さて、この、なんというか、はめを外すととんでもないところに行ってしまいそうな二人を従えた、上原ひろみのプレイ。
これぞまさにひろみ節、なわけですよ。
メンバーは変われども隠れるどころかさらに引き出されるひろみ節。
パワーあり、優しさあり、憂いあり。
けど、どこにも抜けたところがない。
本人、「最近ピアノがうまくなった」と言っているらしい。
だいぶ昔から尋常じゃなくうまいと思うんですけど……
けど、なんだかその言葉も納得するような、そんな作品だと思う。
Amazonだと少し安く買えます。
こっちは通常版。