今度、ワーグナー「ローエングリン」の第一幕への前奏曲を演奏するのですが、そのバス・クラリネットを吹くことになり、楽譜を見てみたところ、なんかおかしい。
in A で書かれていることはともかく、ト音記号とヘ音記号が行ったり来たりしているのですが、通常のバス・クラリネットと同じく実音がオクターブあげて書かれているつもりで読み始めると、明らかに出ない音域まで行ってしまうのです。
と思って、オクターブあげると、なんと最高音が五線上にはみ出したミの音。バスクラだと一部のソロ曲など以外なかなかお目にかからない音域ですね。
その割最低音は、よくある最低音付近のミ♭(レ#)まで行っているという。3オクターブしっかり使う楽譜になっています。
しかし、おそらくこれが正解。いくつかYouTubeで動画も確認しましたが、明らかにこちらのほうが良いし、カラヤン指揮の演奏などもこちら。聴き比べてみると、あえての高音域(最初はバイオリンのみ)から、管が入っても高音域から徐々に低音に広がっていく効果がよくわかると思います。バスクラがオクターブ下だといきなり存在感が出てしまってもったいない。
しかし残念ながら洗足などの演奏でも違ってしまっているようで、、、IMSLPに誰かが親切で in B に変えた楽譜をあげてくれているのですが、これが違っているのでこの影響が大きそう。
演奏する方はご注意ください(IMSLPのtranspose版使う場合、34~51小節目は楽譜通り、それ以外は1オクターブあげて吹くとたぶん正解)。
しかしバスクラでいきなり高いラ#(そしてp)はしびれるなぁ。。。