先日、久しぶりに吹奏楽の演奏会を聴きに行きました。
東京佼成ウィンドオーケストラをバックに、ポール・メイエが吹き振りをするというのです。
ストラヴィンスキーの「エボニー・コンチェルト」やバーンスタインの「前奏曲とフーガ、リフ」など、ビッグ・バンドを従えてクラリネットが活躍する、でもジャズではない音楽。
Homage To Benny GoodmanというSabine MeyerのCDを持っていてそこにこれらも入っているんだけど、こんな編成の曲はなかなか生ではお目にかかれません。
なぜって、ビッグバンドをやっている人はこんなクラシカルな曲はやらないだろうし、吹奏楽やオーケストラの人は、一部の人しか参加できないこういう曲はなかなか出来ないだろうから。
今回の演奏会は、A Frenchman in Americaというタイトルがついていて、アメリカの作品ばかりで構成されています。もちろん、A Frenchman は、ポール・メイエのことでしょう。
1曲目、キャンディード序曲。
定番のメジャー曲ですね。さすがに安定感があります。そして、音の統一感はさすがです。が、、、なぜかちょっとした違和感が。。。
メイエの指揮がかなり先振りなのか、単に距離の問題か、あるいはキャンディード序曲の拍が特徴的だからか、あるいは動きが機敏すぎるのか、なんとなくメイエの指揮が気になってしまうのです。
まぁ、きっと距離のせいでしょう。
さて2曲目、期待していたストラヴィンスキーの「エボニー・コンチェルト」。
楽団側はビッグバンド風に席を変更し、メイエがクラリネットを持って登場です。
レ・ヴァン・フランセを聴きに行ったときも感じましたが、メイエがB♭クラリネットを持っていると、一瞬エスクラに見えます。メイエでかい(笑)
そして、彼の使用しているToscaを指揮棒のように振り回しながら演奏開始。高いのに、、、^^;
これまであまり意識していませんでしたが、この曲、バスクラがめっちゃかっこいいですねぇ。そして、バスクラの女性(有馬理絵さん)の音、めっちゃ好みです。ばりっとしていて、軽くなく、反応もよい。使用楽器はセルマー(B♭管も)のようですねぇ。
この曲、ビッグバンドのために書かれているのですが、そしてそれを期待していたのですが、やっぱり、クラシック奏者のビッグバンドには限界があるのでしょうか。
なんというか、グルーヴが感じられません。
メイエはずっとオーバーアクションで拍をとり続けてるし、メイエが吹き始めたら須川さんが振り始めるし。ほんとのビッグバンドがやったら、いくらかのポイントは合図を出すけれどもそれ以外の一定に進んでいる部分は指揮は必要ないはず。
それが見えなければもしかしたら良い演奏なのかもしれないけれど、見えるばかりに興ざめっていうこともやっぱりあるものです。CDとは違って、演奏会は目でも楽しむエンターテインメントですからね。
ところで、エボニー・コンチェルトって、こんなに短かったっけかな?
どうやら、持っているCDでも続けてバーンスタインが入っているので、まとめて認識していたようです。。。
で、3曲目がそのバーンスタインの「前奏曲とフーガ、リフ」。
最後のリフの盛り上がりがかなり好きな曲です。
さすがにメイエのクラリネット、技術的には完璧です。軽々と難しいものを吹いてくれます。高音も、なんであんなに軽々と、そして太い音がするのでしょう。
まぁ、実は個人的にはメイエの音はあまり好きな音ではないのですが。。。
しかしやっぱり縦の拍をあわせることを「意識している」感じのする演奏。
それから、ビックバンドは、ライブハウスでもマイクで拾うのに、さらには各奏者の音量もかなりあるのに、芸劇で生音はやはりちょっと迫力に欠けますね。
なんだかここまでに書きすぎました(笑)
4曲目はグールドの「デリヴェーションズ」。初めて聴く曲でした。
なんだか、、あんまり印象に残ってない。。。^^;
第二部は、普通の吹奏楽編成に戻って、シンフォニック・ダンスとパリのアメリカ人。
どちらも楽しい曲ですね。
各奏者、各パートはすごくレベルが高く、隙のない演奏です。
が、なんなんだろう。まとまりすぎているのか、遊びがないのか、みんなまじめすぎるのか、どうもいまひとつパンチにかける演奏に感じてしまいました。
音程など、ある程度のずれ/幅があったほうが、太い音に聞こえるといいますが、合いすぎて幅がないんでしょうか?どうも厚みがないんですよね。低音も、そこそこいる割には控えめです。メイエの趣味でしょうか。
ともあれ、なかなか見られない曲を見られて満足です。いろいろ聴いてみたくなりました。
そういえば、休憩時間にトイレに行ったら、前の楽団で補助的に指導いただいていたQ先生が隣に。。。笑
誰かに会うかなぁとは思っていたけど、まさかQ先生とは、、、