さて、先週うちにやってまいりました、新顔君。
正体は、Victor EX-AR7です。
世にも珍しい、Wood Cone Speakerを搭載した、コンパクトコンポーネントDVDシステム。
ま、いわゆるDVDミニコンポってやつです。
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/home/ex-ar7/index.html
DVDの機能はついてますが、基本的には、普通のミニコンポとして評価されることが多いですね。
話によると、DVDドライブを使ったほうが、CD用のドライブより多くの情報を読み取れるから、という話も。やっぱりDVDはオマケなんだと思います(笑)
何よりの目玉は、通常黒っぽいスピーカーの「コーン」の部分を、「木」で作ってしまったということ。
ところで、通常の黒っぽいのって、何で作られてるか知っていますか?
実は、ベースは紙が多いのです。
というのも、この部分は、「振動はよく伝えるけれども、振動が残らない」という、一見相反するような性質が必要になってきて、それに適したものとして、紙が選ばれていたのです。ま、紙とはいっても合成素材が使われていたり、そのままではなくって、樹脂などで加工してあったりしますけどね。
たとえば金属だと、振動はよく伝えるんだけれども、その後も響きが残ってしまって輪郭がぼやけてしまったり、逆に振動が伝わらないとちゃんと音にならなかったりしてしまうわけです。
で、さらにその性質がよいのではと目をつけられたのが「木」です。
でも問題が。
木は、こんなへんてこな形に加工すると、割れてしまいます。
これを克服するためにすごく時間と労力をかけたのだとか。
Victorが特許をとっているので、他のメーカーは簡単にマネできないと思います。
ヒミツは、「日本酒に漬ける」ことだそうですが、、、
そんなこんなで出来上がったこのシステム、いろいろと評価を見てみると、「アコースティックな楽器との相性が抜群」という評価をよく見ます。ま、見た目からしてそういう気がしますもんね(笑)
で、実際の使用感はどうかというと、、、、
私としては特にアコースティックだからどうのこうのという感じも受けていないですね。
分解能は「並」?
やっぱり紙より重たそうだし、ツイーターがないので、高音が弱いかな、と思っていましたが、それなりにはちゃんと出ています。けど、やっぱり「さわやかさ」はちょっと足りない感じもしますね。
そして、中音域の評価が非常に高いようですが、私はどちらかというと、中低音の響きに特徴があるように思います。中低音の響きが、すごく中身のある音がするように感じるのです。輪郭はもう少しはっきりして欲しいところですが、密度の濃さはなかなかのものです。そして、この音を、この小さなスピーカーから出しているというのが、この機種のもっともスゴイところだと私は思っています。見た目はキュート、けど、身は詰まっています、みたいな。
逆に気になるのは、中低音から下の、周波数特性。
置き方や部屋の構造の影響もあるはずなので一概には言えないと思いますが、音域によって響きにだいぶ差が感じます。音がよく「鳴る」ので、鳴りすぎる部分とそうでない部分があるようです。
また、買うときには気づかなかったのですが、周波数域が55Hz~なので、超低音は出ません。
正確にいうと、ベースの最低音あたりも帯域外です。まぁいきなりまったくでないわけでもないし、倍音の関係でそこまで不自然ではないです、ほとんどの場合は。。
というのも、一部のCDを聴いたときに、超低音でベースラインが動いている曲があるのですが、、、見事に特定の音の部分だけ、音が、、消えました。。。
ただしこれは、他の機種でもたぶん似たような感じのはずで、実際、これまで使っていたONKYOのDVDミニコンポで聴いてみたら、こちらも同じ音は出ていませんでした。が、こちらの場合はそのほかの超低音もかなり小さかったので、気にならなかったのです。EX-AR7は、たぶん、「出なくなる直前まで」の音がしっかり過ぎるくらい出てしまうので、違和感を覚えるのだと思います。
というわけで、周波数特性は、ちょっと特殊だと思います。
そうそう、このスピーカーで鳴らしたトライアングルの音、木が鳴っているとは思えないくらい芯のあるきれいな音でした。
ま、総じて、この価格であれば満足なシステムですね。
バスドラの刻みなど、これまでよりかなり充実しています。
下手すると、響きすぎて近所迷惑かも?
夜などはちょっとiTunesのイコライザーで低音を絞ってます。
あ、そうでした。
Speakerは専用の台(別売)に乗せて使っています。
外して比べたりはしていませんが、こいつはきっと筐体そのものが鳴っているので、台も重要になっていそうな気がします。
もうちょっと聴きこんでまた何か感じたらレポートします~