楽器は美しい

某友人が、ヤフオクにコントラバスクラが出ているなどというものだから、その関連商品を見ていたら、、、
とあるものが目に付き、、、

ぽち。

はい。

フルベーム式のB♭管クラリネット。

いま日本でふつーに使われているクラリネットのキー形状は、ベーム式のもの。
通常のクラリネットは、最低音が「ミ」ですが、これを「ミ♭」まで出るようにしてあるのが、フルベーム式のクラリネットです。

なんでそんなことをするかって?
A管との持ち替えがめんどくさい間に合わないオペラ奏者が、全部B♭管でいいじゃん!と考えたことが発端とか。B♭管でもがんばれば基本は吹けますが、A管の最低音だけは出ません。
というわけで、それをつけちゃえばよい、という安直な考えから生まれたのがフルベームです。

実は同じ考え方でバスクラなどもミ♭まで出ますね。
バスクラなどはA管がもはやほぼ製造されていないことからも基本がこちらなのかもしれません。

さてさて、今回のオークションでは、フルベームのクラとバックンのベル、バレルがセットということで、、、バックンのベル、バレルだけでも結構するもんね。
なぁんて考えながらぽっちっとしたら、見事落札、でした。^^;

何が気になるって、このフルベーム、クランポンの楽器なのですが、ミ♭のキーが多いだけではなくて、それ以外も少し違うんです。
6リングではなく7リングなのです。
ちょっと見てみましょう。

手前が、私のメイン楽器のCrampon Festivalです。
そして奥が、今回初登場のフルベーム君。Cramponですが、モデルなどは不明です。
上部はほぼ差異が見当たりません。

では、中間部へ。

違いますねぇ。
左手の薬指の部分にリングがあり、ホールの位置や数も違います。
Webで見ると、上下一体型のものもあるようなのですが、このクラリネットは分解可能です。写真では、左手小指のキー(Cisキー)に隠れているところにジョイントがあります。
そして、なんとCisキーであくのは、Cisキーの下にある正面のホール。
これ、ジョイントの真上です。
つまり、ジョイント部分に穴が開いているのです。(最初の写真をもう一度ご確認ください。)

さらに、右手の人差し指と中指の間に、キーがひとつあります。
普通のベームにはありませんね。
なんとこれを押すと、先ほどの、左手小指のCisキーが開くのです。
エーラー式も同じような替え指メカニズムが用意されていたような??

この、Cisキーが上面というのは、ある面ではすごくよいですね。
いつも、このキーが水浸しになる事件が多発ですから、、、
実際吹いてみても、下のド#の音の抜け間がいつものベーム式とはだいぶ異なりました。

そして、下管部分。

もちろん、フルベームなので、キーはひとつ多い。そして下管は長めです。

この楽器、実は「ハイピッチ」の楽器だそうです。
よくよく見比べると、トーンホールの位置が若干上??とも思いますが、穴の大きさとも関係するので、そんなに確実にわかるほどでもないかな、という印象。
吹いてみても、それほど違和感ないレベルでした。

ちなみに、バレル部分も。

もともとのベルやバレルは割れてしまっていたとのことで、今回はバックンのベルとバレルが付属でした。
けど、これが逆に今回の入札の決め手。
バックンは、Festivalにもつけてみて、楽しんでます。
やっぱり感覚変わりますね。
どっちをメインにするかは未定ですが、、、

楽器の抵抗感などもまったく違うので、とりあえず吹き比べてお遊び中。

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