良い音を考える<クラリネット編>

良い音ってなんだろうなぁ、なんて考えながらメモってみた。
どんなのが良い音と思うかは人に依るし、そもそもすべてを目指すと矛盾が出たりするもんだけど、自分としてはこんなことを考えて普段練習している。

<クラリネットの場合>

・密度のある音
中身がしっかり詰まったような音がよい。
かすかす、スカスカするのは興ざめ。

・艶のある音
表面に、艶を感じたい。
ざらざらした音はサックスの特権。
音の繋ぎ目が、艶でコーティングされているようなのが、よい。

・暗さ
暗いネット、じゃない。クラリネットはその内にこもったようなダークさ、抑えた感じがその魅力を引き立てる。

・明るさ
クラリネットの語源はクラリオンと言われる。クラリオン音域が明るい音色の金管楽器のクラリオンに似ているかららしい。
明るくコロコロした音色もまたクラリネットの魅力だ。

・まっすぐな音
他の楽器に比べて、ヴィブラートをかけるのがあまり一般的でないクラリネット。
まっすぐな音色で勝負出来るからとも言われる。
実直な音もクラリネットの魅力だ。

・柔らかい音
ふわっと包み込むような棘のないヴェールにつつまれたような音。クラリネットの特性として決して簡単なわけではないが、こういう音も発音できる能力はある。

・むちっとした音
中低音のクラリネットの音は、つきたての餅のような粘度を発揮することがある。この音はこの上ない充実感をもたらす。

・ぶりっとした音
さらに低音域では、力強い輪郭を持った支配的な音を生み出すことが出来る。

・透き通った音
高音に長ける奏者であれば、一点の曇りもない、透き通った高音を奏でることが出来る。

(番外編)
ここにあげるのは、いわゆる「良い音」とは少し違うが、時に効果的に使うことで音楽の幅を広げることが出来る。

・鋭い音
攻撃的で鋭い高音は、(同じ音域ならば)他の楽器に負けない。

・グリッサンド
これはまぁどの楽器でも熟練した奏者ならばやってしまうけど。
クラリネットはカバードキーでないので、比較的やりやすいと言われる。(ほんとか?実際には、アンブシャーに柔軟さが必要だが、他の楽器に比べてアンブシャーが固くなりがちなため、できる奏者はさほど多くない。)
かの有名なラプソディインブルーは、クラリネットの専売特許ですね。

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